屋根役物の種類や機能について解説
2024/01/09
屋根の役物とは、隅や棟、軒先など特定の部分で使用する部材のことです。役物は、防水や屋根端部の固定の役割を果たすほか、意匠性を高めることもできます。この記事では、屋根役物の概要や種類、機能などについて解説しています。これから住宅を建てようとしている方、屋根のリフォームをしようとしている方はぜひ参考にしてください。
屋根の役物とは?
屋根の役物とは、隅や棟といった特定の部分で使用する特殊な形の部材のことです。鬼瓦やレンガ、タイルなどさまざまな種類があり、装飾や機能の追加を目的として使用されています。
屋根の役物の特徴
役物の使用にはさまざまな特徴があります。ここでは、屋根の役物の主な特徴を紹介します。なぜ役物を使用する必要があるのかいまいちわからない、といった人はぜひ参考にしてください。
防水
屋根の役物は、防水の役割を果たします。屋根は常に外気に晒される場所であり、雨風の影響により徐々に劣化していくものです。特に、屋根の先端部分や棟といった部分は、異なる形状が取り合っている場所であり、複雑な納まりとなるケースが少なくありません。そうなると、漏水のリスクが高まってしまうため、雨が降るだけでも影響を受ける可能性があります。このような部分に役物を設置することで防水機能を高めることができ、雨風による劣化を遅らせることができるでしょう。
屋根端部の固定
役物は屋根の端部を固定する役割も持っています。屋根の端部が固定されていない状態で強風が吹くと、風に煽られてめくれや破損が発生する恐れがあります。このようなめくれや破損を防ぐために役物を設置し、しっかりと固定することが大切です。端部の固定をする場合、固定したい箇所に役物が覆いかぶさるように設置してください。役物を設置するとその箇所は外からはほとんど見えないようになります。
印象を決める
屋根は多くの人の目に止まるものであり、屋根のデザイン次第で見ている人の印象を決める可能性があります。そして、役物はこの印象を決める際に大きな影響を与えるものです。これは、屋根の役物は先端部や棟といった人目につきやすい場所に設置するケースが多いためです。
また、印象的な家にしたい場合、屋根の色とは異なる役物を設置することができるでしょう。さらにスッキリとした印象にしたい場合は、役物を使ってコンパクトに納めることもできます。防水や端部の固定といった実用的な機能だけでなく、デザイン面でも役立つ点が役物の特徴だといえるでしょう。
屋根の役物の種類
屋根の役物と一言でいってもその種類はさまざまです。ここでは主な屋根の役物の種類を紹介します。これから住宅を建てようとしている人で屋根をどうするか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
棟包(むねつつみ)
棟とは、屋根の頂上部分のことです。ここは、屋根の各面が付き合わさっている部分であり、雨水が入り込みやすいという特徴があります。ここに設置するのが棟包です。棟包は、棟板金と呼ばれることもあるため、こちらの名称の方が耳馴染みのあるという人もいるのではないでしょうか。
棟包は、釘やビスなどを使って固定するため、時間の経過とともに緩んでしまう恐れがあります。そのようなときに台風などで強風が吹くと飛散する可能性があるため、定期的にメンテナンスをする必要があるでしょう。
剣先(けんさき)
剣先とは、屋根の頂上部分から軒先にかけて伸びている隅棟の先端に設置する役物です。剣先の設置にあたっては、建物の形状に応じて先端の角度を加工する必要があるため、施工する職人には技術力が求められます。
唐草(からくさ)
唐草とは、屋根の一番外側を囲い覆う役物です。唐草という名称の由来は、かつての日本では軒先の瓦に唐草模様を描いていたからだとされています。唐草を設置することで、軒先に流れてくる雨水を雨樋に誘導できるようになるほか、木材を雨水から守ることができます。
棟巴(むねともえ)
棟巴とは、棟とケラバ(棟と直行する面)が付き合わさっている部分に設置する役物です。スレートや金属屋根に対しては板金が使われますが、瓦屋根の場合は棟巴瓦が使われます。
雨押え(あまおさえ)
雨押さえは、取り合い部と呼ばれる屋根と外壁の接触部分に設置する役物のことです。ここは雨水が入って来やすい部分でもあるため、雨押えを設置することで文字通り雨の侵入をおさえることが可能となります。
ケラバ包み
ケラバ包みは、その名の通りケラバ部分を包む板金の役物です。ケラバは、漏水リスクが高いとされています。また、ケラバの下には破風板が設置されていますが、ここが風を受けやすい場所であることから、強風が吹くとめくれや破損が生じる恐れがあります。そのため、ケラバ包みには防水機能が求められるほか、めくれなどを防ぐためにしっかりと固定することが求められます。
鼻隠し
鼻隠しとは、屋根の先端部である軒先に設置する役物のことです。設置の際は、軒先を正面から覆う形で取り付けます。鼻隠しは、雨樋を取り付ける際の下地として活用することができます。また、軒先は下からの風の吹上の影響を受ける部分でもあるため、鼻隠しを設置する際は、しっかりと固定することが大切です。
なお、鼻隠しを設置することで垂木などの構造部分を隠すことも可能です。軒先は多くの人の目に止まる部分であるため、外観イメージをよくしたいときや、意匠性を高めたいときなどに役立つでしょう。
鬼瓦
鬼瓦は、棟の端に設置する瓦のことで、役物の1つです。こちらは主に装飾を目的として使用されます。かつては、魔除けをするために鬼の面が飾られていましたが、一般家庭においては威圧感が強いことから雲や植物などが装飾された鬼瓦が使用されています。
鬼瓦の設置にあたっては、漆喰などで固定することとなりますが、時間の経過とともに劣化し、瓦がずれたり外れて落下したりする恐れがあるため、10年を目安にメンテナンスを行うことが大切です。
まとめ
今回は、屋根の役物の概要や特徴、主な種類などについて解説しました。屋根の役物とは隅や棟、軒先といったさまざまな部分に使用する特殊な形の部材のことです。設置することで防水や屋根端部の固定が可能となるほか、見た目の印象を良くすることもできます。家の安全性を高めるのはもちろん、意匠性を高めたいといった方の利用にも適しているでしょう。屋根の役物にはさまざまな種類があり、それぞれ使用する場所や特徴が異なるため、設置にあたっては、専門業者に相談しながら行うようにしましょう。また、役物設置後は定期的にメンテナンスを行うことも大切です。
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