戸建て住宅に一番多いスレート屋根の劣化症状とメンテナンス方法について
2024/01/23
スレート屋根はデザイン性が高い人気の屋根材ですが、メンテナンスを怠ると劣化が進みやすい一面があります。
この記事ではスレート屋根の劣化症状やメンテナンス方法について解説していきます。
スレート屋根の劣化にお悩みの方や、メンテナンス方法について知っておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
スレート屋根とは
スレート屋根はセメントを主成分にした暑さ5mm程度の屋根材で、一般的な一枚の大きさは幅91cm、高さ41cm、重さ約3.5gです。屋根瓦に比べて軽量でデザイン性が高く、比較的安価に施工できることから日本の住宅に広く使われてきました。
現在でもガルバリウム鋼板に次ぐシェアNo2の人気の屋根材です。セメントを主成分にしていることから、塗膜による保護が必要不可欠という事を覚えておきましょう。
スレート屋根の寿命
スレート屋根の寿命は20~30年と言われています。状態にもよりますが、施工してから20~30年経過しているのであれば、重ね葺きや葺き替えなど屋根のリフォームを検討する時期でしょう。
スレート屋根は塗膜による保護が必要不可欠ですが、年月が経ち塗膜が剥がれてしまうと防水性が失われてしまうため一気に劣化が進んでしまいます。本来定期的なメンテナンスが必要ですが、メンテナンスを怠ったがためにグッと寿命が短くなってしまったケースも少なくありません。
スレート屋根の劣化症状
スレート屋根の代表的な劣化症状は次の通りです。
- ・色褪せ
・コケ・藻の繁殖
・ひび割れ
・反り
・割れ・欠け
屋根は簡単にアクセスできる場所ではないため、近くでまじまじと屋根を見ることはなかなかないでしょう。ある程度の離れた距離からでも劣化がわかるようであれば、想像以上に劣化が進んでいる可能性があります。 施工から5年以上経過しているようであれば一度専門業者に点検してもらうようにしましょう。
色褪せ
スレート屋根のツヤがなくなったり色が薄くなったと感じるようであれば、表面の塗膜が剥がれはじめている可能性があります。
先にも述べましたが、スレート屋根は塗膜が剥がれると水分を含みやすくなってしまうため屋根全体の劣化が速まります。スレート屋根が抱えるすべての劣化は塗膜の剥がれから始まると言ってもいいほどです。
経年劣化により5年ほどで塗装が剥がれはじめる場合もあるため、塗装を視野に入れた早めのメンテナンスを検討しましょう。
コケ・藻の繁殖
色褪せたスレート屋根をそのままにすると、防水効果を失っているため雨水を吸収します。空中を舞う胞子が水分を多く含んだスレート屋根に付着することで根付き繁殖してしまいます。
コケや藻がスレート屋根で繁殖してしまうという事は、それだけスレート屋根が水分を吸収し表面が傷んでしまっているという事です。コケや藻がスレート屋根に発生した場合は、早めに専門業者にメンテナンスしてもらいましょう。
ひび割れ
釘などで固定されているスレート屋根は、厚みが5mm程度しかないため歪みが発生しひびが入ってしまうことがあります。またその薄さから、飛んできた飛来物によりひびが入ることも。
スレート屋根にひびが入っても、屋根の下には防水シートであるルーフィングが敷かれているため、すぐに雨漏りが起こるわけではありません。
しかし、ひびから侵入した雨水はルーフィングの上を流れ続けるためルーフィングを劣化させることにもつながり、結果として将来雨漏りがおこるリスクを発生させることになってしまいます。
屋根にひび割れが多いようであれば、まずは補修や塗装から検討しましょう。
反り
スレート屋根が劣化し水分を含むようになると、濡れて膨張・乾いて収縮を繰り返すようになり、しだいに反りが発生します。反ってしまったスレート屋根は元に戻りません。
ここまで劣化が進んでしまうと、スレート屋根の塗膜は完全に剥がれていて薄いセメントの板が屋根の代わりに乗っているような状態です。
反った屋根の隙間から雨水が侵入しやすくなってしまうため、下地を含む屋根全体が傷みやすい状態でもあります。反りが屋根の全体で発生しているのであれば、雨漏りを起こさないうちに屋根の重ね葺きや葺き替えを検討したほうが良いでしょう。
割れ・欠け
スレート屋根の厚みは5mm程度しかないため、台風などの影響による飛来物で割れや欠けが生じてしまうこともあります。割れや欠けが生じた屋根をそのままにしておくと、割れた屋根が落下したり強い風で飛散してしまうこともあります。
数枚であれば割れた箇所のスレート材を部分交換することもできますが、屋根の広い範囲で割れや欠けが生じているようであれば、スレート屋根全体がもろくなっている可能性があるため、状態に応じて重ね葺きや葺き替えを行う必要があります。
スレート屋根のメンテナンス方法
一般的なスレート屋根の寿命は20~30年ですが、定期的なメンテナンスが必要な屋根材です。定期的なメンテナンスは過度な劣化を抑え、雨漏りなどの深刻なトラブルへの発展を防ぐため、住宅全体の寿命を延ばすことにつながります。
屋根は落下の危険があるためDIYでのメンテナンスはおすすめしません。専門の業者に依頼することで、その屋根の状態に合ったメンテナンスやメンテナンスの提案をしてもらえるでしょう。
ひび割れの補修
スレート屋根のひび割れ補修はシーリング材をひびに充填して行います。シーリング材が定着するように補修箇所を清掃してきれいにしてからひびにシーリング材を充填します。充填したシーリング材をヘラなどでならし整えて完成です。
屋根の塗装をする場合はひびを補修してから塗装をするため、ひび割れ箇所を伝えておくと良いでしょう。
塗装
塗装はスレート屋根の劣化を遅らせることのできる、欠かせないメンテナンスです。塗膜による防水効果がなくなればどんどん劣化が加速します。劣化症状の項目でも述べたように、スレート屋根の色褪せやひびが全体的に多いようであれば塗装によるメンテナンスが必要です。
塗装によるメンテナンスを行う目安は新築後5~7年です。
スレート屋根のリフォーム
丁寧にメンテナンスしていたとしても、屋根材が寿命を迎えてしまったらリフォームが必要です。屋根リフォームはカバー工法と葺き替え工事の2つがあります。
カバー工法
カバー工法は、古くなった既存の屋根に新しい屋根材を被せるようにして行う屋根リフォームです。古い屋根を撤去する必要がないため、葺き替えよりも工程が少なく工事費用も安価です。
屋根が二重になるため断熱性や遮音性が向上します。
葺き替え工事
葺き替え工事は、既存の屋根を撤去し新しい屋根材に取り替える屋根リフォームです。カバー工法に比べて大掛かりで自由度の高いリフォームになり、工事費用も割高になります。
屋根材やルーフィング(防水シート)を新しいものに交換し、下地の野地板は状態によって補修されることもあります。屋根材を既存の素材とは違うものにすることも可能で、既存の屋根材より重くならなければ耐震性が低下することもありません。
まとめ
スレート屋根は、日本の住宅に広く採用されている屋根材ですが、素材の塗膜が剥がれることでさまざまな劣化症状が現れます。症状は段階を踏んで深刻なものになっていくため、初期症状の段階で塗装などのメンテナンスを行う必要があります。
劣化を早めないためにも、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
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