横暖ルーフとはどんな屋根材？特徴や注意点を解説 | 株式会社ハジメ

新築や屋根のリフォームを考えている方のなかには、数多くある屋根材選びに苦労されている方も多いのではないでしょうか。

近年は屋根材のなかでも金属屋根を選ぶ方が増えており、横暖ルーフもそのなかの1つです。

横暖ルーフは、ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板にフッ素樹脂塗装やポリエステル塗装を施した、耐食性の高い高性能な屋根材です。

この記事では横暖ルーフの特徴や種類、注意点などを解説します。新築や屋根のリフォーム・修理を検討している方や、横暖ルーフについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

横暖ルーフとは？

横暖ルーフは、ニチハ株式会社が販売する断熱材と遮熱鋼板が一体になった断熱材付金属屋根材です。横暖ルーフは2008年3月にニチハ株式会社の100％子会社になった株式会社チューオーが2000年に製造・販売を開始し、現在に至るまで20年以上販売を続けるロングセラー商品となっています。

近年では、一般住宅の屋根材として瓦屋根やスレート屋根を抑え、軽量で高い耐久性を持つ金属屋根が広く採用されており、金属屋根に高い断熱性能を備えたものが断熱材付金属屋根である横暖ルーフです。

ガルバリウム鋼板とエスジーエル（SGL）鋼板

亜鉛めっき鋼板(トタン板)のおよそ3倍の耐食性を持つガルバリウム鋼板のめっき組成に、マグネシウムを追加し、さらに耐食性を向上させたものがエスジーエル(SGL)鋼板です。

横暖ルーフの種類

横暖ルーフの種類は次の6種類です。

• ・横暖ルーフαプレミアムS
• ・横暖ルーフプレミアムS
• ・横暖ルーフαS
• ・横暖ルーフαS窯変
• ・黄暖ルーフS
• ・黄暖ルーフS1820

横暖ルーフαプレミアムS

エスジーエル鋼板にフッ素樹脂塗装を施し、耐候性・耐食性を高めた横暖ルーフの最上位モデルです。断熱材に厚みを持たせ、ジョイント部の気密性を高めることで断熱性能を向上させています。

横暖ルーフプレミアムS

エスジーエル鋼板にフッ素樹脂塗装を施したモデルで、横暖ルーフαプレミアムSと同等の高耐候性・高耐食性を持ちます。

横暖ルーフαS

ガルバリウム鋼板にポリエステル塗装を施し、断熱材に厚みを持たせたモデルです。「プレミアム」シリーズには及ばないものの、高い耐久性を持ちます。

横暖ルーフαS窯変

横暖ルーフαSの性能を保ちつつ意匠性を追求したモデルで、他のモデルにはない南欧風スタイルのグラデーションを持ったカラーラインナップが特徴です。カラーに濃淡があるため、施工時にはグラデーションのバランスに注意が必要です。

横暖ルーフS

ガルバリウム鋼板にポリエステル塗装を施したスタンダードモデルです。横暖ルーフαSと同等の高い耐久性を持ちます。

黄暖ルーフS1820

横暖ルーフSの性能を保ったまま、長さを3030mmから1820mmに変更したモデルです。狭小地における取り回しの良さを向上させました。

横暖ルーフ比較表

横暖ルーフの比較表は次の通りです。

横暖ルーフ種類	αプレミアムS	プレミアムS	αS	αS窯変	S	S1820
塗装	フッ素	フッ素	ポリエステル	ポリエステル	ポリエステル	ポリエステル
厚み	最大17mm	最大12mm	最大17mm	最大17mm	最大12mm	最大12mm
長さ	2960mm	3030mm	2960mm	2960mm	3030mm	1820mm
働き幅	260mm	260mm	260mm	260mm	260mm	260mm

6種類のモデルを比較すると「プレミアム」シリーズはフッ素塗装、「α」シリーズは断熱材を含む厚みが17mmと厚く、スタンダードな「横暖ルーフS」に比べて最上位モデルである「横暖ルーフαプレミアムS」はより耐候性能・耐食性能・断熱性能が高いことがわかります。

横暖ルーフの特徴

横暖ルーフの特徴は次の4つです。

• ・耐久性、耐食性
• ・断熱性、遮熱性
• ・耐震性
• ・雨音を防ぐ遮音性

耐食性・耐候性

横暖ルーフαプレミアムS・プレミアムSは、高い耐食性を持つエスジーエル鋼板にフッ素樹脂塗装を施したものです。

フッ素樹脂塗装は、フッ素樹脂とアクリル樹脂が溶けて混ざりあった状態で塗膜を形成するため強靭な結合力を持ち、色褪せや褪色の原因となる紫外線エネルギーや雨や雪などから屋根をしっかりガードします。

そのため期待耐用年数は25〜30年と長く、塗膜の白亜化・変褪色・ひび・割れなどは20年の保証を実現しています。

横暖ルーフαS・横暖ルーフαS窯変・黄暖ルーフS・黄暖ルーフS1820は、ガルバリウム鋼板にポリエステル塗装を施しており、塗装のひび・割れ・剥がれには15年の保証があります。

断熱性・遮熱性

横暖ルーフは硬質ウレタンフォームである断熱材と一体成型で造られるため、スレート屋根や瓦屋根に比べ断熱効果が高く、屋外の冷気や熱気の侵入を防ぎ室内の温度を保ちやすい構造になっています。

シミュレーションによる断熱材のない一般的な金属屋根との野地板裏の温度比較(8月中旬・さいたま市・13時時点)では、一般的な金属屋根は62.1℃、横暖ルーフαSは36.6℃と約25℃の温度差があり、室内温度への影響を抑えられていることがわかりました。

また、横暖ルーフに採用されているエスジーエル鋼板・ガルバリウム鋼板には遮熱機能が備わっているため、太陽からの赤外線を反射しやすく屋内への熱の侵入を防ぎます。

一般的な鋼板と遮熱鋼板との遮熱性能比較では、20cmの距離からハロゲンランプを60分間当て、鋼板の裏面温度を比較するとおよそ12℃の温度差がありました。さらに、日射反射率の比較ではブラックカラーとグリーンカラーの2色が特に反射率が高いことがわかっています。

耐震性

地震による住宅の揺れは、屋根にかかる重量を軽くして住宅の重心を下げることで軽減できます。

横暖ルーフの重量は約5kg/㎡で、瓦屋根の1/10、スレート屋根の1/4程度の重量であるため瓦屋根やスレート屋根に比べて屋根にかかる重量を軽くでき、住宅の揺れを軽減できます。そのため瓦屋根やスレート屋根と比べて、相対的に耐震性能を高めることができます。

雨音を防ぐ遮音性

断熱材と一体成型の横暖ルーフは遮音性が高く、雨音を軽減する効果もあります。

横暖ルーフの3つのポイント

横暖ルーフの3つのポイントは次の通りです。

• ・長期保証に対応
• ・海岸から500m以遠を保証可能
• ・沖縄県および離島を除いた全地域で施工可能

長期保証に対応

横暖ルーフは高い耐候性・耐食性を備えているため長期保証に対応しています。

保証の年数は次の通りです。

保証内容	横暖ルーフαプレミアムS 横暖ルーフプレミアムS	横暖ルーフαS 横暖ルーフαS窯変 横暖ルーフS 横暖ルーフS1820
塗膜の白亜化・変褪色	20年	なし
塗膜のひび・割れ・剥がれ	20年	15年
赤錆	20年
穴あき	25年

海岸から500m以遠を保証可能

従来のガルバリウム鋼板は沿岸部から5000m以遠が保証対象地域でしたが、横暖ルーフは高い耐食性を備えているため、沿岸部から500m以遠が保証対象地域となっています。

沖縄県および離島を除いた全地域で施工可能

積雪のある地域では、屋根の雪解け水が軒先で再凍結することで屋根を流れ落ちる水をせき止めてしまい、屋根の隙間から屋内に流れ込む「すがもれ」が起こる可能性があります。

このため一部の断熱材付金属屋根材は、積雪の多い北海道や東北地方、日本海側での施工を不可に設定しているものもあります。

横暖ルーフは平成28年11月8日より、沖縄県および離島を除いた全地域で施工可能を実現しており、北海道や積雪の多い地域でも屋根材として採用する事ができます。

横暖ルーフの注意点

横暖ルーフの注意点として、他の屋根材に比べ価格が比較的高価であることが挙げられます。
横暖ルーフは、断熱材一体型の高性能な屋根材であるため、どうしても価格が上がってしまう傾向にあります。

横暖ルーフの1枚あたりの標準価格と㎡あたりの価格は次の通りです。

横暖ルーフ税抜価格	αプレミアムS	プレミアムS	αS	αS窯変	S	S1820
標準価格	7,260円/枚	7,430円/枚	5,930円/枚	7,240円/枚	6,080円/枚	3,650円/枚
㎡価格	約9,430円/㎡	約9,430円/㎡	約7,700円/㎡	約9,640円/㎡	約7,700円/㎡	約7,700円/㎡

屋根面積が広ければ広いほど材料費が掛かってしまうため、予算をオーバーするようであれば横暖ルーフαSや横暖ルーフSなどのスタンダードグレードを選ぶなどして調整しましょう。

まとめ

この記事では横暖ルーフの特徴や種類、注意点などを解説しました。

横暖ルーフは断熱材一体型の耐食性の高い高性能な屋根材です。種類は6種類あり、「プレミアム」は特に高耐食なモデルで「α」は断熱材の厚みを増したモデルです。

軽量で高耐食・高断熱な横暖ルーフは、長期保証に対応し積雪のある地域でも施工することができます。

そのため価格も比較的高額になりますが、価格に見合う性能は十分に満たしています。また、期待耐用年数も長いため、トータルでのメンテナンスコストを抑えられるメリットがあります。

株式会社ハジメは、雨漏り修理から屋根の葺き替えまで行う千葉市の会社です。年間100棟以上の現場に携わる豊富な経験を持つ職人が丁寧に誠実な仕事を行います。

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株式会社ハジメにておこなった横暖ルーフの施工実績