天窓(トップライト)からの雨漏り!原因や修理方法について解説
2024/02/29
天窓は、日光を効率良く取り込み室内を隅まで明るくでき、開放感を与えてくれる設備ですがその特性上、雨漏りのリスクを抱える設備でもあります。
この記事では、天窓からの雨漏りの原因や修理方法、雨漏りが発生するメカニズムや雨漏りの症状などを詳しく解説します。
天窓付きの住宅にお住いの方や、これから天窓の設置を検討している方はぜひ参考にしてください。
天窓を設置することで得られるもの
天窓を住宅に設置する大きなメリットとして、住宅内にふんだんに日光を取り込める点があります。
天井に設置された天窓は、住宅壁面に設置された引き違い窓・滑り出し窓・上げ下げ窓のおよそ3倍の採光が期待できることから、「トップライト(天頂部の明かり)」「ルーフ・ウィンドウ(屋根の窓)」「スカイライト・ウィンドウ(天光の窓)」とも呼ばれています。
建築基準法では、住居の採光について「その居室の床面積の1/7以上の面積の、採光上有効な窓が必要(照明設備での採光の確保がされている場合は床面積の1/10)」とされています。
ですが、住宅密集地などでは壁面窓の面積を確保出来たとしても、隣家に遮られ居室内に十分な日光を採光できない場合があります。
その点、天窓は屋根部分に窓があるため隣家に日光を遮られにくく、昼間は安定した採光が期待できます。また、吹き抜けのある2階建て住宅では、1階フロアまで日光を届けられるため明るく開放的な雰囲気になります。
人は日光を浴びることで、骨を丈夫にしたり免疫作用を高めたりするだけでなく、気分の落ち込みや意欲の低下を防ぐ働きもあります。天窓は生活に必要な日光を安定して住宅内に届けることで、住宅内を明るくするだけでなくそこに住む人の健康にも大いに貢献します。
また、天窓には固定式(フィックス)と開閉式があり、開閉式の天窓の場合は窓を空けて室内の風通しをよくすることもできます。住宅密集地であっても、天窓であればプライバシーを守りながら空気を入れ替えることが可能です。
なぜ天窓から雨漏りが発生しやすい?
天窓は、屋根の下地材である野地板に穴をあけて屋根材よりも高く付き出して設置されるのが一般的です。
そのため雨や風、日光による紫外線の影響を受けやすく、周辺の屋根材よりも傷みが早い特徴があります。
もちろん天窓周りには、防水シートや防水テープ、水切りエプロンなどでしっかりと雨漏り対策を施すのですが、年月が経てば劣化してしまうことは避けられないため、どうしても屋根の一部にある弱点のような箇所になってしまがちです。
天窓からの雨漏りで現れる症状
天窓からの雨漏りで現れる症状は次の3つです。
- ・クロス(壁紙)のシミ・黒ずみ
- ・クロス(壁紙)の剥がれ・下地材の腐食
- ・室内への水滴の垂れ
クロス(壁紙)のシミ・黒ずみ
天窓から雨漏りが発生してしまった場合、最初に現れるのがクロスのシミや黒ずみです。
漏れた水滴は壁面を伝って垂れてくるため、クロスにシミや黒ずみを発見した場合は雨漏りが発生している可能性が高いと言えます。黒ずみは屋根の汚れが水滴と一緒に流れた跡もしくは、その後に発生したカビの可能性があります。
どちらにしても、傷みが広がらないよう早めに対策を講じましょう。
クロス(壁紙)の剥がれ・下地材の腐食
クロスのシミや黒ずみが進行するとクロスの剥がれが発生します。
クロスは下地材である木材に糊で張り付けられていますが、雨漏りの水分が糊を剥がしてしまうためクロス自体が剥がれてしまうのです。クロスの剥がれが発生するという事は、下地材である木材にも腐食が進行してしまっている可能性が高いため、場合によっては下地木材の補修・交換をする必要があります。
室内への水滴の垂れ
天窓の雨漏りが水滴として室内に垂れてくるケースもあります。
天窓ガラスのひびや、ガラスと枠の境目のシーリングやゴムパッキンの劣化で雨水が垂れている場合や、クロスや下地木材に染み込み切れなかった多量の雨水が垂れている場合もあります。
水滴が室内に垂れてくる場合は、床や家具を濡らさないようビニールシートやブルーシートを敷き、バケツなどで水滴を受け、早急に専門業者へ連絡しましょう。
天窓からの雨漏りの原因と修理方法
天窓からの雨漏りの原因として次の3つがあります。ここでは合わせて修理方法も解説します。
- ・シーリングやゴムパッキンの劣化
- ・天窓周りの防水シートやエプロンの劣化
- ・落ち葉や苔などの堆積による排水不良
シーリングやゴムパッキンの劣化
天窓の雨漏りの原因として最も多いものが、天窓の枠やガラスとの境目にあるシーリングやゴムパッキンの劣化です。雨水の侵入を防ぐシーリングやゴムパッキンですが、雨や日光の紫外線などで劣化し痩せや縮み、ひび割れ、亀裂が発生します。
シーリングやゴムパッキンはおよそ10年ほどで劣化が顕著になってきます。
特にガラスのコーナー部分では、シーリングやゴムパッキンが痩せや縮みで浮きやすく、雨水を侵入させる隙間ができやすい傾向にあります。雨漏りの原因がシーリングの劣化だと断定できれば、シーリングの打ち直しで雨漏りの修理が可能です。
天窓周りの防水シートやエプロンの劣化
天窓は、屋根の下地材である野地板に穴をあけて設置されます。この際、天窓の周りから雨水が侵入しないよう、防水シートや天窓の傾斜下部に設置するエプロンと呼ばれる鉛やアルミでできた水切り用の薄い板によって雨漏り対策がされています。
しかし、防水シートやエプロンも経年劣化により破れてしまったり穴が空いてしまうことがあるため、雨水の侵入を許してしまう場合があります。修理の際は、天窓周辺の屋根材を一度剥がし、部分的に防水シートを補修・交換したり、水切りエプロンを新しいものに交換します。
天窓の耐用年数はおよそ20〜25年とされています。設置から年月が経過しているようであれば、天窓本体の劣化が進んでいる可能性が高いため、周りの雨漏れ修理と同時に天窓本体の交換を検討しても良いでしょう。
天窓の枠や周りの野地板に腐食が進んでしまっている場合は、天窓本体の交換、野地板の補修・交換が必要です。
落ち葉や苔などの堆積による排水不良
天窓周りは、雨漏りのリスクを避けるために屋根に落ちた雨水がスムーズに軒先まで流れる構造になっています。
しかし、天窓周りの隙間に落ち葉や苔などが堆積してしまうと、雨水の流れをせき止めてしまい、逃げ場を失った雨水が屋根の内部へ侵入してしまう場合があります。
この際、天窓とは離れた場所から雨漏りを起こす場合もあるため、原因の特定が難しいケースもあります。
まずは、スムーズに雨水が流れ落ちるよう天窓周りの落ち葉や苔を取り除く必要がありますが、雨漏り経路の判断が難しいことや高所での作業になるため、専門業者に依頼するのが安心です。
天窓を撤去してしまうのも一つの方法
天窓は日光をふんだんに取り入れられるメリットがありますが、雨漏りなどのリスクが高いこともまた事実です。
冷暖房が効きにくい、雨音が気になる、メンテナンスが大変といったデメリットのほうが気になるようであれば、天窓を撤去してしまうのも一つの方法です。
天窓を撤去して屋根の穴を塞ぐ方法と、天窓を撤去せずにカバーのような板金部品を被せる方法があります。屋根の穴を塞ぐのが一番確実な雨漏り対策ですが、数年以内に屋根のリフォームを考えている場合は、それまで応急的にカバーを被せてしまう方法のほうが費用を掛けずに済みます。
まとめ
この記事では、天窓からの雨漏りの原因や修理方法、雨漏りが発生するメカニズムや雨漏りの症状などを詳しく解説しました。
天窓には採光・開放感・人目を気にせず換気ができるなどのメリットがありますが、雨漏りとは切っても切れない関係にあります。近年では天窓自体を扱うメーカーが以前よりもずっと少なくなりました。
その分、現在販売されているメーカーの天窓は品質の高いものといった考え方もできます。
天窓の耐用年数は20〜25年とされているので、設置から年月が経過している場合は天窓本体の交換も検討しましょう。
株式会社ハジメは、千葉県千葉市を拠点としている屋根修理の職人直営店です。千葉市近郊や近県、関東一円で屋根修理や金属サイディングの外壁工事など幅広いサービスを提供しています。
突然の雨漏りや屋根のトラブルは、住む人を不安な気持ちにさせるかと思います。
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