雨漏り修理や補修、対策などに使用されるコーキングについて解説 | 株式会社ハジメ

コーキングはさまざまな建築物に使われている便利な充填剤です。粘度のある液状のコーキングは、固まると弾力性を持ったゴムのようになるため、主に雨漏り対策として建材の隙間を埋めるのにうってつけです。

この記事では、種類や用途、コーキングに必要な道具、コーキングの打ち直し・手順など、雨漏り修理や補修などで使用されるコーキングについて詳しく解説します。屋根修理や雨漏り修理を検討中の方、ご自身でコーキングを打ち直そうと考えている方もぜひ参考にしてください。

コーキング材の役割

コーキング材は、建築資材同士の接触を防ぐ緩衝材のような役割や、建築資材の隙間を埋め漏水を防ぐ役割を持ちます。住宅内ではキッチン周りやお風呂場、洗面所などに使用されており、水濡れしやすい資材や設備の隙間を埋め、水滴が隙間へ落ちないようにしています。

屋外では外壁の目地(繋ぎ目）や外壁と下屋の取り合い、サッシ周り、ベランダやバルコニーなどにコーキングが使用されています。外壁材である窯業系サイディングやALCパネルは、衝撃やねじれによって割れや欠けが生じやすいため、わざと隙間ができるように施工し、地震や台風などで住宅に大きな力がかかった際に、外壁に加わる衝撃やねじれを逃がしています。この隙間を「目地」と言いますが、そのままでは外壁内部に雨水が侵入してしまうため、伸縮性のあるコーキングによって隙間を埋めています。

また、「コーキング」と同じような意味の言葉に「シーリング」がありますが、この二つはほぼ同じ意味として使われているため、施工業者によって呼び方が異なることを覚えておくと良いでしょう。

コーキング材の種類や用途

コーキング材の種類や用途は次の通りです。

①シリコン系
②変成シリコン系
③ウレタン系
④アクリル系

①シリコン系

コーキング材の中で、最も目にする機会の多いスタンダードなコーキング材が、シリコン系コーキングです。耐久性・密着性・撥水性が高く、キッチンや浴室・浴槽に適しています。上から塗装をすると塗料をはじいてしまうため、塗装を必要とする箇所には使用できません。

②変成シリコン系

変成シリコン系コーキングは外壁の目地やサッシまわり、モルタルのひび、スレート屋根の補修などに使用されます。シリコン系コーキングと違い、上から塗装できるため屋外の補修に向いています。

③ウレタン系

ウレタン系コーキングは、高い密着性と高い弾力性を持ちますが、紫外線に弱いため上からの塗装がほぼ必須条件になります。モルタル外壁のひびの補修やコンクリートのひびの補修、破風、鼻隠しにできた隙間の補修に適しています。

④アクリル系

アクリル系コーキングは、ALC外壁の目地へ充填されることが多くあり、モルタルやコンクリートのひび割れの補修に適します。上から塗装ができますが、耐候性が低く劣化が早いため現在ではほとんど使用されていません。

コーキングに必要な道具

コーキングに必要な道具は次の通りです。

✅コーキング材
✅コーキングガン
✅プライマー
✅ハケ
✅カッターナイフ
✅ヘラ
✅マスキングテープ

コーキング材

1本でおよそ3m分の目地に打てるほどの容量が入っています。施工する箇所の特性に合ったコーキング材を選択しましょう。

コーキングガン

コーキング材をセットし、塗りたい溝や目地の太さ、幅に合わせて先端をカットします。ハンドルを握ると押し出されるようにコーキングが出てきます。

プライマー

コーキングを塗りたい箇所にあらかじめ塗っておく下塗り材です。ハケが付属している場合もあります。

ハケ

プライマーを塗るためのものです。プライマーを塗ると1晩で固まってしまうため使い捨てと考えましょう。

カッターナイフ

古くなった既存のコーキング材を除去するために使います。

ヘラ

コーキングを塗った後に、形を整え仕上げを滑らかにするために使います。

マスキングテープ

コーキングする溝や目地に合わせてガイドのような役割で使います。

コーキングに必要な道具はおよそ2,500円〜3,000円ほどで揃えられます。カッターナイフやハケ、ヘラなどは100円ショップでも購入できますが、綺麗に仕上げたい場合は専用の物を使うとストレスなく作業できます。

コーキングの打ち直し・打ち増しの違い

コーキングの施工には「打ち直し」と「打ち増し」の二つがあります。「打ち直し」は古いコーキングを除去してから新しいコーキングを打ち直す方法で、耐久性・防水性が上がり、コーキングが剥がれづらくなります。

「打ち増し」は既存のコーキングの上から、重ねるように新しいコーキングを打つ方法で、「打ち直し」に比べて、早く、楽に施工できます。

打ち直しはすべて新しいコーキングになるため、確実です。ただし、広範囲を応急的にコーキングするのであれば打ち増しで十分でしょう。それぞれの状況に合わせて二つの方法を柔軟に選択しましょう。

コーキングの打ち直し・手順

コーキングの打ち直し・手順は次の通りです。

・既存のコーキングを綺麗に除去する
・コーキングを打つ箇所にプライマーを塗る
・コーキングを打つ箇所の周りにマスキングテープによる養生をする
・コーキングを打つ
・ヘラで整える
・マスキングテープを取り除く

既存のコーキングを綺麗に除去する

既存の劣化したコーキングをカッターナイフやスクレーパーなどで綺麗に除去します。古いコーキングが残っていると新しいコーキングの密着が悪くなるため、ハケなどをつかって削りかすやゴミを念入りに取り除きます。

コーキングを打つ箇所にプライマーを塗布する

古いコーキングが綺麗に除去できたら、新しいコーキングの密着をよくするため、プライマーをハケで塗布します。

コーキングを打つ箇所の周りにマスキングテープで養生をする

余分な所にコーキングが付かないように周りをマスキングテープで養生します。

コーキングを打つ

隙間なく空気が入らないように新しいコーキングを打ちます。表面の凸凹はこの次の工程で均すため問題ありません。

ヘラで整える

ヘラでコーキングの表面を均します。この際、周りのマスキングテープに余分なコーキングを落としていくように一定の力でヘラを引いていきます。

マスキングテープを取り除く

表面を均したら、コーキングが固まる前にマスキングテープを取り除いて完了です。マスキングテープには余分なコーキングが付いているので、他の壁などに付けないように注意しましょう。余計な所にコーキングが付いてしまった場合は、硬化するのを待って爪などで取るようにしましょう。

雨漏りをコーキングによるDIYで修理できる？

雨漏りをコーキングによるDIYで修理するのは非常に難しいと言えます。程度にもよりますが、雨漏りはプロであっても原因を突き止めることが難しいケースも多く、非常に難易度の高い修理の一つです。

特に屋根を原因とした雨漏りなどは、雨水の侵入箇所とは離れた屋内に雨漏りとして現れるケースもあります。雨水の侵入ルートは屋根裏などの直接目視で確認しづらい場所を探っていく必要があり、非常に多くの時間がかかります。

さらに、一度修理したはずの雨漏りが再発するケースもあるため、一般の方がDIYで雨漏りを修理するのは非常に難しいと考えます。外壁など、雨水の侵入ルートが確実に判明しているのでない限り、雨漏り修理はプロに任せるのが安心です。

まとめ

 

この記事では、種類や用途、コーキングに必要な道具、コーキングの打ち直し・手順など、雨漏り修理や補修などで使用されるコーキングについて詳しく解説しました。コーキングの役割は、建材のわずかな隙間を塞ぎ雨漏りを防ぐことです。

種類は、シリコン・変成シリコン・ウレタン・アクリルの4種類があり、それぞれを適した用途に使用するのが大切です。コーキングに必要な道具を全て揃えても2,500〜3,000円ほどなため、個人で所有しておくのも良いでしょう。

コーキングの打ち直しのポイントは、古いコーキングを丁寧に除去することです。古いコーキングが残っていると、新たにコーキングを打ち直しても剥がれやすくなってしまうため、防水性や耐久性などを最大限発揮することができません。

また、DIYでの雨漏り修理は、難易度が高いためおすすめできません。DIYは、洗面所やお風呂などのコーキングの打ち直し程度に留めておきましょう。

株式会社ハジメは屋根の細かなトラブルから、葺き替え・リフォームまで幅広く対応いたします。千葉県を中心に近県の屋根トラブルに迅速に駆け付けます。

雨漏り修理やコーキングの打ち直しを検討中の方は、ぜひ株式会社ハジメにご用命ください。経験豊富な職人が誠実に、確実に修理いたします。